タイトルを変更し、記事も大幅に改変いたしました。見解の変化を見出しにしました。
まえがき:イングリッシュブルーベルはなかなか手に入らない
現在、イングリッシュブルーベル(Hyacinthoides non-scripta)はスパニッシュブルーベル(Hyacinthoides hispanica)との交雑が進んでいて、なかなか「ホンモノ」には出会えない状況になっています。原生地のひとつ英国では輸出を禁じているとかいないとか。
販売用タグの開花画像にひかれて去年、国内で一般的に流通している球根を買い求めて咲かせてみましたが、咲いた花は想像していた(といいますか販売タグの画像どおりの)「イングリッシュブルーベル」の姿ではありませんでした。
そこで、今シーズンは一応、身元の確からしい球根を入手して植えてみました。
その結果は・・・・
まず、咲きません。
ある程度の大きさがある3球と小さめのを3球、計6球植えましたが、現在花芽は3本。葉はわさわさとしげっているので、上下のバランスがあまりいい感じではありません。1球につき花芽が1本しかでないのであれば、今年はそんなものともいえます。
前回の記事によると私がホンモノだと思う見た目は、
- ステムがうなだれる
- ステムの一方向だけに花が咲く
- 花は下向きに咲く
- しべの花粉が白い
- 花弁の先のカールがきつい
- 甘い香りがする
だそうです。
4月28日の開花から数日:イングリッシュブルーベル??
では、花を見てみましょうか。
本日咲いたものがこちら。
おや?なかなかいけてるのでは?
・・・と思いましたが角度を変えてみると
花のついている位置がバラバラ・・・
しべの花粉は白です。合っています。
花の形も寸胴です。先に向かって開くラッパ形ではありません。
しかし、弁先のカールが甘いようです。
茎もまっすぐに立ち上がっています。
香りも、あまり感じられません。
栽培途中気になったのは、3球の芽が早く出て、葉の幅は太く、ほかの3球の芽の出は遅く、葉の幅が細く、と生育に違いが見られたことです。球根の大きさによるものかもしれません。大球3個で三角形、小球3個で三角形、と全体でみると六芒星になる位置に植えたので、はっきりと違いが分かりました。来年も生き残って、開花球まで育ってくれたら、さらに観察できると思いますが・・・
翌日の姿です。わずかに弁先のカールが増したようにも見えます。
別の花。上のものより花弁の切れ込みが細かいように見えます。
次の日。
頭がわずかにうつむいたかな?どうですか。
咲き始めの残念な感じから、すこし希望をもてるような姿に変わってきたように見えます。
この花は弁先のカールがしっかりです。筒もまっすぐ。咲き進んできたら理想の姿にちかづいてくれるかも?
数日たち、つぼみがすべて開きました。
日陰の花は持ちがよいですね。
5月4日:イングリッシュブルーベル っぽいぞ
この花は弁先がきれいにカールしました。いい感じかも!
5月13日:第二クールの花芽は・・・イングリッシュブルーベルかも
4月下旬に上がった3本の花茎からは微妙な花が咲きましたが、ここにきて新たな花芽が4、5本上がってきています。花の数は少ないのですが、姿は正しいイングリッシュブルーベルのように見えます。
花の形は本物のようであるものの茎がうつむかず花の先が上向きになっているものもありました。咲き方は様々です。
5月18日:イングリッシュブルーベルだと思う!
らしさがある、といいますか。なかなかよい雰囲気に見えますがいかがでしょうか。
まとめ
と、いうわけで。
はじめの訝しげな見解から一転、多分ホンモノを入手できたのでは?という結論になりました。
しかし一つ気になるのは、花期がきれいに二期にわかれたことです。
始めにぼやいていますが、4月下旬からの第一クールでは花芽が3本しか上がらず、その花はnon-scriptaと断定するには難があるような花容でした。それに対して5月中旬ごろ咲き始めた第二クールの花は、non-scriptaの特徴をほとんど備えた花容のように見えました。この違いが単に開花時期の気候のせいなのか、それともなにかが違う球根が混ざっているのか。来シーズン、球根が生き残ってくれるようならもう一度確かめてみようと思います。